目次
基本情報
本のタイトル | 伝わる・揺さぶる! 文章を書く |
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本の評価 | |
著者 | 山田ズーニー |
出版社 | PHP研究所 |
発売日 | 2001/11/15 |
感想
文章の書き方を書いた本はたくさん読んできたが、実用文の書き方としては、一番わかりやすかった。本書全体で伝えられているのが、問いと答えをベースにしているところ。
気づき
- 意見とは、自分が考えてきた「問い」に対して、自分が出した「答え」である。
- 文章を書くときには、自分が言いたいことをはっきりさせる方法と、論点から入っていく方法がある。
- 大きすぎる問いに答えようとすると、つまらない回答になる。そんなときは細かい問を積み重ねる
ToDo
- 問いと答えをセットに文章を考える
- それに対する論拠を明確にする
- 大きすぎる問は分解する
印象に残った言葉や表現
大問題にいきなり結論を出そうとすると、考えるのが面倒になるか、陳腐な結論になるか。そうして書くことがいやになってしまう。こういう時は、「答え」ではなく、「問い」の方を探すことだ。つまり、1つの大きな問題を考えるために、有効な、具体的で小さな「問い」をいくつも作って、自分にインタビューすることで、考えは前に進む。
文章の7つの要件
- 意見・主張
- 自分が言いたいことを発見する
- あなたが文章を書くということは、あなたが納得いくまで自由にものを考えてよいということだ。決められた1つの正解がよそに存在するのではない。
- 望む結果
- 論点
- 読み手
- 自分の立場
- 論拠
- 根本思想
自分の意見を発見する方法
考える道具は「?」の形をしている。そう、「問い」だ。
自分で「問い」を立て、自分で「答え」を出す、さらに、その答えに、新しい問いを立てる
問い→答え→問い→答えを繰り返していくことで、考えは前に進む。
問を繰り返すことで、自分の意見が形成されていく。
望む結果を意識して書く方法
なんのために書いているのか分かららなくなってしまったときは、問いかけてみる。
- 自分は今何を書いているのか? 書こうとしているのか?
- だから、何なのか? それは読み手にとってどんな意味があるのか?
- 読み手にどうなってもらいたいのか? そのためにどう書けばよいのか。
論点とはなにか?
「論点」とは、文章を貫く問いだ。筆者の問題意識と言ってもいい。よく「独自の切り口」と言われるのが、論点のことで、どのような問題を、どのような角度で扱っているかということを指す。文章の方向も、読み手の興味も論点で決まる。
どのような問いを立てるかによって、文章も変わってくる。
論拠の並べ順
論拠は、次のような順序で配列するとよい。
- 優先順位の低いもの→高いものへ
- 具体的な根拠→抽象度の高いものへ
- 時間的配列(問題の背景→現在→将来)
- ミクロからマクロへ(個人の実感→社会問題→社会構造へ)
- 賛否(賛成、反対の代表的意見の提示→両者の共通・差異点、→そこから見える問題点)
議事録を書くいちばんのポイント
議題を「問い」の形にして頭に大きくはっきり書く。
これにつきる。ここが、最も難しく、腕の見せ所だ。なぜなら、私たちは、会議をしたり、ミーティングをしたり、人と会うとき、事前に「論点」を確認する習慣がないからだ。
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